満中陰志とは
満中陰志という言葉は聞きなれない方も多くいらっしゃいますが、四十九日法要の香典返しの品物をイメージすると分かりやすいかと思います。
「満中陰」は“中陰が満ちた”=四十九日の忌明けを迎え、無事に成仏したことを言います。主に西日本で使われる言葉で、忌明けに法要を無事に済ませた報告と通夜や葬儀へ参列してお悔やみを頂いた事への感謝の気持ちを贈る品物の事を指します。
全国的に香典返しのかけ紙の表書きに「志」と書いて贈る場合が多いですが、西日本では「満中陰志」と書いてお贈りします。
お返しの時期
忌明け当日から1カ月以内を目安に、満中陰志の品物に挨拶状を添えて贈ります。
もし1カ月を超えてしまった場合は、遅れたお詫びの言葉も忘れないようにしましょう。
当日返し
近年では、四十九日を待たずに通夜や葬儀の当日にお返しをする「当日返し」の習慣が広まってきています。その際の表書きは「中陰」の意味の「満中陰志」ではなく、『志』を使用した方がいいでしょう。
香典の相場からいただく金額を予想して品物を用意する事になりますが、もし頂いた香典に対してお返しの金額が安すぎた場合は、忌明け後に改めて差額分を満中陰志として贈るのがマナーです。
金額・相場
満中陰志の相場は、頂いた香典の金額の半分をお返しする「半返し」が基本とされています。
しかし、香典の金額が大きい場合は3分の1程度のお返しでもいいという考えもあります。
「のし紙」と「かけ紙」の違い
まず、「のし」とはかけ紙などの右上についている短冊形の紙のことを指しています。
これは「のしあわび」を簡略化させたもので、以前は縁起物としてお祝いごとに贈る習慣があったもので、「のしとは」お祝いの時に使うものなのです。不祝儀である満中陰志には「のし」がついていないものを使用するため、「のし紙」ではなく「かけ紙」と呼ぶことが正解をされています。
満中陰志を受け取った時の注意点
満中陰志を受け取った際に、「お礼の言葉は述べない」ことに気を付けましょう。
満中陰志はお悔やみを頂いたことに対するお礼とう意味がありますので、満中陰志に対するお礼は「礼に礼を重ねる」ことになってしまいます。これは「不幸を重ねる」という意味につながるので縁起がよくないとされています。
「ありがとう」などではなく、「恐れ入ります」「お気遣い恐縮です」といった言葉を用いるようにしましょう。
郵送で受け取った場合は、贈った相手も無事に届いたか心配している場合もありますので、届いた旨をお伝えすると親切です。
よく選ばれる品物
不祝儀を後に残さないという意味を込めて、食品類や消耗品
が定番とされてきましたが、近年では贈った相手が好きなものを選べるカタログギフトが、贈る側にとっても悩む事がなく、受ける側も品物を選ぶことができるということから人気を集めています。
カタログギフト以外であれば、普段自分ではなかなか買わない高級なタオルセットや、上品なお菓子の詰め合わせが人気となっています。
県や地域によって慣習も変わってくるため、気になる方やはじめての方は身内や葬祭の担当者に確認しながら進めていきましょう。
慣れない事が多いお葬儀では、ご当家の負担を少しでも軽減できるようなサービスも行われており、葬祭のスタッフが受付や即日返しを代行してもらえるサービスを行っている会社もあるので、気になる方は事前に確認してみましょう。